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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2017.09.05

結核について

毎年9月24日から30日は結核予防週間です。「結核なんて大昔の病気では?」と思っている人もいるでしょうが、現在でも国内で1日50人が新規に発症して5名が亡くなっています。結核の予防や対処のために理解しておくべき情報を説明します。

1.結核とは?
結核とは、結核菌により引き起こされる感染症です。主に肺に感染することが多いのですが、感染してもすぐに発症するとは限りません。宿主(感染者)の免疫力が十分にあると結核菌は休眠状態に入ります。その後は一生問題なく過ごす場合も少なくありませんが、何らかの理由(加齢、低栄養、抗がん剤治療、HIV感染など)で免疫力が下がると再活性化して結核が発症します。
症状としては慢性的に続く発熱や咳、体重減少などが典型的です。結核感染者の咳の飛沫には結核菌が含まれていることがあるため、周囲の人に感染を広げてしまう危険性もあります。

2.結核の予防・早期発見
生後5-8ヶ月の時期にBCGワクチンを接種することで、結核の感染や重篤化を予防することができます。また免疫力を高めることで結核の発症を予防することが大切であり、適度な運動・十分な睡眠・栄養バランスの良い食事・禁煙などが特に大切です。
発症した場合はレントゲンに影が出ることが多く、定期健診で見つかることもあります。しかし、特に高齢者では症状が強く出ず見逃されることが珍しくありません。2週間以上咳や痰が続く場合や原因不明の体重減少を認める時は、結核も疑って早めに医療機関を受診しましょう。

3.結核の治療
結核は効果のある抗生物質を6-9ヶ月程度飲み続けることで治すことができます。しかし症状が落ち着いたからといって途中で治療を中断すると、結核菌が耐性化してしまうことがあります。医師の指示に従い、十分な期間治療を続けることがとても大切です。
なお、治療費用は公費負担の対象となります。

4.接触者検診について
仮に職場で結核の従業員が出た場合は、感染拡大を防ぐために接触者検診を行う必要があります。一般的には保健所と協力して接触者の範囲を確定し、結核感染の有無を調べる検査を行います。その上で感染が否定できない従業員がいた場合には、定期フォローや予防的治療を受けてもらうことになります。
必要以上に不安に感じることはありませんが、従業員から結核の報告を受けた際には迅速に保健所に連絡して指示を仰ぐようにしてください。


参考資料:結核予防会「結核の常識」
http://www.jatahq.org/siryoukan/torikumi/pdf/2017.pdf

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