産業医業務の合間に、労働者の健康情報の管理について相談を受けることが増えてきました。例えば「人間ドックの法定外項目を会社が見てもいいのでしょうか?」といった内容です。
健康情報は機密性の高い個人情報であると同時に、労働者の健康増進を支援する上で大切な基礎資料にもなるため、情報利用について線引きをするのは簡単ではありません。この点を議論するため、今年4月から厚労省で「労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの在り方に関する検討会」が開催されています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=546170
公表されている資料からは、健康診断だけを取り上げても、個人情報の取り扱いは以下のように分かれることが解ります。
・法定項目の検査結果:事業者は本人の同意なく情報を取得することができる
・法定外項目の検査結果:事業者が本人の同意のなく情報取得することは原則禁止
・健診後の医師の意見:事業者は必ず確認しなくてはならない(情報の取得が義務)
いかがでしょうか?多くの会社では、こういった区別が曖昧なまま健康情報が扱われているのではないかと思います。プライバシー尊重と、(健康経営などを目的とした)健康データ活用の両立をどのように進めていくか、検討会の議論の方向性に注目したいと思います。
Column記事
2018.06.07
労働者の健康情報について
著書のご紹介
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