前回のコラムでは喫煙と怪我のリスクについて解説しました。今回は喫煙とメンタルヘルスの関係についてお話ししたいと思います。
「タバコを吸うとリラックスできる」と感じる喫煙者は少なくありません。しかし過去の脳科学的研究から、実は「喫煙者は、タバコを吸っていない状況では(禁断症状に伴う)強いストレスを感じており、喫煙によりストレスが一時的に緩和しているだけである」ということが分かってきました。例えば以下のような研究結果が示されています。
気分障害の罹病率(約3年間追跡)は、喫煙者で42%だったのに対し、禁煙した人では29%に低下した。
https://source.wustl.edu/2014/02/smoking-cessation-may-improve-mental-health/
禁煙成功者は、失敗した人と比較して不安障害が37%、うつが25%、ストレスが27%低下。将来に対して楽観的な気持ちも増し、禁煙は抗うつ薬と同等以上の効果があることが示された。
https://www.birmingham.ac.uk/news/latest/2014/02/Stubbing-out-smoking-can-light-up-your-mental-health.aspx
また最近は、受動喫煙でも(能動喫煙ほどではありませんが)メンタルヘルスに悪影響を与える可能性が指摘されています。こういった正しい知識を、職場の禁煙対策を進める一助にしてください。
Column記事
2019.03.14
喫煙とメンタルヘルスリスクとの関連
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