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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2015.01.27

(記事紹介)マタニティハラスメントについて

2015年1月23日 読売新聞「妊娠後の降格など「マタハラ」…厚労省が通達」

妊娠や出産などを理由とした職場での嫌がらせ、マタニティー・ハラスメント(マタハラ)を防止するため、厚生労働省は23日付で全国の労働局に通達を出し、企業への指導を厳格化するよう指示した。通達は、女性が妊娠、出産したり、育休を取得したりしてから近い時期に企業が雇い止めや降格などをすると、原則として男女雇用機会均等法などで禁止するマタハラにあたるとする内容だ。これまでは、企業が女性に不利益な扱いをしても、マタハラにあたるかどうかの明確な判断基準がなく、抜け道になっていた。


近年多くの企業ではパワーハラスメントやセクシャルハラスメントの対策が進んできており、「日常的に部下を怒鳴りつける上司」とか「部下の女性の体に触れる上司」といった典型的なハラスメント事例は大きく減ってきたと感じます。
一方、いまだに対策が進んでいないのが妊娠や出産に関連するハラスメント、マタニティハラスメント(マタハラ)です。昨年末にマタハラに関した初めての最高裁判例が出ましたが、これをきっかけに上記の通り厚労省も本格的な対策に乗り出したようです。

具体的なケースを見ながら、マタハラについて一緒に考えてみましょう。

ケース:管理職をしていた女性従業員が産休から復帰する際に、「管理職の仕事と育児の両立は難しい」ことを理由に降格の上で復職させた。本人は不満そうだが、一応同意を得ている。

こんな事例は皆さんの会社でもありませんか?「全く問題ない」と感じる人もいるかもしれませんが、最高裁はこれを違法行為と判断しました。最高裁の判断基準は以下の通りです。

・男女雇用機会均等法によれば、原則として出産や育児を理由とした不利益取り扱いは許されない。
・例外①:本人の自由意志による取り扱いであることが客観的に明らかである場合
・例外②:業務上の必要性などが大きく、実質的に法の趣旨に反するものではない場合

働く女性を守ることは世界的な潮流となっており、判旨の通り法律上も出産や育児を理由とした不利益は原則として禁止されています。そして降格などの取り扱いが認められるためには「例外的な対応が許容される客観的な理由」が必要となることを忘れないようにして下さい。

もちろん、現実的には出産後に育児で忙しく、以前と同様の勤務ができないお母さんは少なくないと思います。これまでと同じように働けないにもかかわらず同じ職位につけることは、周囲から逆差別のように見えるかもしれません。しかし、育児をしながら働ける職場は、介護など別の理由で就業上の困難を抱える従業員にとっても働きやすい職場になります。誰もが安心して働ける職場環境を作ることが会社の発展にもつながると考え、支援体制構築を推進していきましょう!

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