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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2015.08.18

(メンタルヘルス)自律神経の乱れと心身の不調との関連

弊社代表の石澤は、東京大学医学部附属病院心療内科の大学院で自律神経と心身の問題についての研究を行ってきました。今回は「自律神経の乱れがどのように心身の不調につながるか」という点について簡単にお話ししたいと思います。

まず自律神経とは、体温調節や腸管運動調節、心拍調節など、身体の恒常性(バランス)を保つために活動する神経です。自律神経の働きによって「運動したときに心拍数が上がり全身に酸素が供給される」「暑い日には発汗が活発になり体温を下げる働きが強くなる」「ベッドに入ると気持ちが落ち着いて眠りやすくなる」といった身体活動の調節が行われ、心身の健康が維持されます。
一方で自律神経の働きが乱れると、「何もないのに動悸がする」「不安が強くなって冷や汗が止まらない」などのいわゆる自律神経失調症状が出現してしまいます。このような不快な症状を防ぐためには、自律神経活動を正常に保つことが大切です。

自律神経には、交感神経と副交感神経という2種類の神経が含まれています。交感神経は主に緊張や興奮に関連する神経で、交感神経活動が亢進すると心拍数や発汗が高まり、気持ちも緊張して心身が戦闘に備える状態になります。
一方で副交感神経は心身をリラックスさせる神経で、副交感神経が高まると心拍が下がったり気持ちが安定し、休息を取るのに適した状態になります。
いずれも重要な神経活動ですが、ストレスの強い環境で交感神経が過剰に興奮すると不眠、不安、抑うつ、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質代謝異常、肥満など)、脳卒中といった心身の不調を来しやすくなることが知られており、現代社会では交感神経の過活動が主な問題となっています。健康を保つためには交感神経の過活動を抑え、副交感神経優位のリラックスした状態をうまく作り出すことが必要です。職場や家庭で以下のような工夫を心がけてみて下さい!

1.長時間労働を続けていると常に交感神経活動が亢進した状態になってしまいます。しっかりと休養を取る時間も作るようにしましょう。

2.何か嫌なことがあったときは早めに気分を切り替えることが大切です。気分転換できる趣味を持ちましょう。家族や友人に悩みを相談することも有用です。

3.身体を動かすと自律神経の働きが正常化しやすいことが知られています。定期的な運動週間を身につけましょう。

4.食事を抜く、暴飲暴食をする、深夜遅くまで起きている、といった生活習慣は交感神経の過緊張につながります。十分睡眠をとって規則正しい生活をしましょう。

5.急激な体温上昇は交感神経過活動につながるため、風呂はぬるめにしてゆっくりつかるようにしましょう。また就寝直前にはパソコン画面を見たり食事をしたりせず、リラックスする時間を作るようにしましょう。

6.自律神経失調の背景に、更年期障害や甲状腺機能亢進症などの疾患が隠れている場合があります。生活習慣改善で体調が回復しないときは医療機関に相談してみましょう。

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