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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2015.09.11

(記事紹介)持ち帰り残業と企業責任

2015年9月8日 産経新聞『「持ち帰り残業で過労自殺」22歳女性の遺族が英会話大手を損賠提訴へ』

大手英会話教室の講師だった女性が平成23年に自殺したのは、長時間の「持ち帰り残業」による過労が原因だったとして大阪府内に住む女性の両親が近く、学校運営会社に慰謝料など約9100万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こすことが7日、分かった。両親側の代理人弁護士によると、残業状況の客観的な立証が難しい自宅などでの持ち帰り残業をめぐり、企業の労務管理責任が問われる訴訟は珍しい。女性については労働基準監督署が昨年5月、持ち帰り残業による過労と鬱病発症との因果関係を認める判断を下し、すでに労災と認定している。


長時間労働が心身の健康障害リスクを高めることは広く知られており、多くの企業で残業削減に向けた取り組みがなされています。一方で、会社で終わらなかった仕事を自宅で行う、いわゆる「持ち帰り残業」については、管理が難しいことを理由に黙認状態になっている企業も依然少なくありません。

しかし、会社の指示で行っている業務であれば、遂行場所に関わらず労働時間として捉える必要があります。持ち帰り残業は一旦許容すると際限なく増えていくことが多いだけでなく、仕事とプライベートの境目が曖昧になることで心身のストレスを増大させます。「持ち帰り残業は絶対にしない!させない!」という意識を全社員に周知徹底するようにして下さい。

なお、労災申請や訴訟において、どの程度の残業が生じていたかについての立証責任は従業員側にあるため、従来は残業時間の算定が困難な持ち帰り残業で労災認定されることは多くありませんでした。しかし最近は、実際の業務量や帰宅後に送ったメールの時間帯などから、残業時間を推計して労災認定の基礎資料とすることが増えてきました。紹介した事例のようなトラブルになる前に、適切な対応を行うよう留意して下さい。

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