1年ほど前からフィリップモリスやJTから電子タバコが発売されていますが、最近売り切れが続出するなど非常に人気が高まっているようです。産業医として職場の禁煙対策の話をする際も「電子タバコにより喫煙者の健康被害や受動喫煙は減少するのか?」といった質問をよく受けるようになりました。
電子タバコは「タバコを燃やさずに加熱することでニコチンなどの成分を揮発させる」ことが最大の特徴です。これにより有害なタール分が大幅に減少し、副流煙がほとんどでないため受動喫煙の健康被害も減るのではないかと期待されています。服に匂いがつきにくいなど、副次的なメリットもありそうです。
その一方で、電子タバコが従来のタバコよりも健康被害が少ないことを示す質の高いエビデンスは現時点では存在しません。(添加物など何らかの成分による健康被害の発生も完全には否定できません)
また喫煙のハードルが下がることで、特に若者の喫煙者が増加したり、ニコチン中毒を悪化させる可能性もあります。(電池充電の関係で連続使用に制限があるようですが)
会社としての対応ですが、まずは「電子タバコであっても喫煙所以外では吸ってはいけない」ことが職場環境管理の大前提です。また喫煙者の健康改善効果が分からない現状では、あまり強く電子タバコを推奨するのは望ましくないと感じます。本来は禁煙指導が原則であることを忘れないようにして下さい。
今後もこのコラムで、電子タバコに関する情報を適宜紹介していきたいと思います。
Column記事
2016.08.19
電子タバコと喫煙対策
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