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Column記事

2017.11.27

(記事紹介)健康診断でHIV検査 厚労省が来年度から試行

2017年10月30日 日本経済新聞「健康診断でHIV検査 厚労省が来年度から試行」

厚生労働省は2018年度から、健康診断の受診時に無料でエイズウイルス(HIV)検査を受けられるモデル事業を始める。検査を受けやすくし、早期発見や発症防止を通じて感染拡大の防止に取り組む。本人以外に結果が伝わらないようプライバシーにも配慮する。


HIVとは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)の略称です。HIVが感染して体内で増殖すると免疫細胞が減ってしまい、普段は感染しないような病原体にも感染しやすくなり、さまざまな病気を発症します。この状態をエイズ(AIDS:Acquired Immuno-Deficiency Syndrome、後天性免疫不全症候群)と呼びます。

HIVに感染した人の血液や精液、膣分泌液、母乳などにはウィルスが含まれるため、それらが別の人の体の中に入ると人から人に感染することがあります。生行為による感染(性的感染)が最も多いのですが、コンドームなどの利用により感染を防ぐことも可能です。

HIVに関する報道は以前に比べて下火になっており、「日本ではHIVが減っている」と誤解している人も少なくありません。しかし、2007年以降の日本での新規発症者は1500人前後と非常に高い水準で推移しています。世界全体でみると3000-4000万人もの患者がいると推計されており、決して過去の病気ではありません。

HIVは放置しておくと致死率の高い病気であり、AIDS発症後は2-3年しか生きられない時代もありました。しかし、最近は薬物治療が進歩し、早めに発見できれば健常者とほとんど変わらない生活ができるようになっています。新たな感染を防ぐためにも、HIV保有者の早期発見と早期治療が求められています。

以上の経緯から、表題の通り「健康診断でHIVをチェックする」という流れになったのではないかと思われます。ただHIVに対する偏見は未だに根強いため、実施にあたってはプライバシー保護が極めて重要になります。会社がどの程度関わることになるか現時点では不明ですが、万一従業員から申し出や相談があった場合に慌てないよう、HIVに対して正しい知識を身につけておいてください。

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