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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2018.11.09

(記事紹介)長時間労働に対する産業医面接の強化

2018年10月31日 日本経済新聞「残業80時間超の社員に通知 産業医の面談広がるか 」

企業で働く人の健康を守る産業医や産業保健の役割が来年の春から強化される。長時間労働やメンタルヘルスの不調など健康リスクが高い人を見逃さないように、医師による面接指導や健康相談を受けやすくすることが柱だ。働く人にとって、どのような影響があるのかをまとめた。
産業医は企業内で社員の健康管理について専門家として指導、助言する医師だ。法律により従業員50人以上の事業所は産業医の選任が義務付けられており、50人未満は努力義務、1千人以上の場合は専属の産業医を置くことが求められている。2015年には社員の心の健康状態の点検を企業に義務付ける「ストレスチェック制度」が始まり、産業医の役割が増している。
今回の産業医や産業保健の機能強化は、6月に成立した働き方改革関連法に盛り込まれた。残業時間の上限規制などと同じく19年4月から適用が始まる。柱は医師の面接指導を受ける要件の引き下げだ。
現行制度では1カ月の残業時間が100時間を超えた場合、本人が申し出れば医師からの面談を受けることになる。今回の法改正で、この要件は「月80時間超」に下がる。さらに、残業規制が適用されない研究開発職で働く人は、月100時間超で面談が義務だ。
もっとも、働く人のなかには自分の毎月の残業時間をきちんと把握していない人もいるだろう。このため80時間を超えた人には企業からメールや書類などで通知が届くようになる。今回、新たに設けられた措置だ。通知が来れば面談を受ける権利があることが分かり、自分が長時間労働であることの目安にもなる。


現在の労働法制でも、月100時間以上の法定外労働を行なった従業員本人が申し出れば、企業は産業医との面接を実施する義務があります。しかし「そもそも自分が本制度の対象者か分かっていない従業員が少なくない」「残業が80〜100時間のハイリスク従業員も含めるべきではないか」という問題意識から、2019年4月より上記のように運用が強化されることになりました。
この運用強化により、産業医が従業員の体調不良を早めに発見できる契機が生まれるだけではなく、従業員自身が自分の長時間労働に気がつくきっかけができることが期待されます。
一方で、この制度の問題点として「従業員からの申し出が産業医面接の前提条件である」という点が挙げられます。長時間労働をしている従業員は「忙しくて面接なんて受けていられない」という気持ちになりがちですし、「面接の申し出がマイナス評価につながるのでは」と心配する場合もあるでしょう。従業員に万全の体調で働いてもらうためには「本人からの申し出に関わらず、一定時間以上の残業で産業医面接を義務付ける」など、各社でさらなる運用強化を検討するのが望ましいと思われます。

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