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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2015.07.08

中東呼吸器症候群(MERS)について

ここ数年、毎年のように耳慣れない感染症があちこちで広まるようになりました。交通機関の発達や温暖化による環境変化などが影響していると言われていますが、現在日本に持ち込まれる可能性が懸念されている感染症の一つに中東呼吸器症候群(通称MERS)があります。厚生労働省の資料を下記にまとめたので、流行地域に出張しなくてはならなくなった場合などの参考にして下さい。

*出典:厚生労働省HPより
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers_qa.html

まず中東呼吸器症候群(MERS:Middle East Respiratory Syndrome)は、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症です。MERSの原因となるウイルスはコロナウイルスという一般的な感冒を引き起こすウイルスで、突然変異により病原性が高くなったと考えられています。

主な症状は、発熱、せき、息切れなどであり、下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいますが、特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向があります。中東で報告されたケースの死亡率は約40%とされていますが、そのほとんどが基礎疾患のある人でした。なお韓国での感染者の死亡率は現時点で10%程度と報告されています。

人がどのようにしてMERSに感染するかは、まだ正確には分かっていません。中東ではヒトコブラクダがMERSウイルスの保有動物であると考えられています。2015年5月以降に韓国で患者が発生していますが、多くが韓国内の病院での院内感染によるものと考えられています。これは主に、飛沫感染(咳やくしゃみなどによる)又は接触感染による感染と考えられます。

現時点で国内での発症事例は報告されていませんので、国内にいる限りは過剰に心配する必要はありません。MERSの発生が報告されている地域においては、咳やくしゃみなどの症状がある人との接触を避け、また動物(特にラクダ)との接触は可能な限り避けることが重要です。個人で行える対策としては、インフルエンザと同様にマスク着用、手洗いやうがいの励行が大切です。

現在のところMERSに対する治療は対症療法が基本となります。流行地域から帰国後14日以内に発熱や咳などの症状がみられたら、まず最寄りの保健所に連絡の上で指示を仰いで下さい(直接医療機関を受診してしまうと二次感染を広げてしまう可能性があります)。

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